|
|
序章 本研究の目的,問題提起および構成
1.本研究の目的
2.本研究における問題提起
3.本書の構成
|
|
第T部 条件付監査意見の史的展開 |
|
第1章 アメリカにおける条件付監査意見の起点
1.はじめに
2.アメリカ経済の動向と会計プロフェッション
南北戦争後の経済とイギリス会計士の流入
会計プロフェッションの発展
3.監査証明額縁説とさまざまな限定意見
さまざまな形の監査報告
監査証明額縁説
第一次大戦後の証券ブームを背景とした限定意見の頻出
監査報告書に記載されたさまざまな限定意見
アメリカにおける限定意見伝達の構図
4.条件付監査意見の記載様式と内容
最も早期の条件付監査意見
条件付監査意見の記載パターン
条件付監査意見の対象
5.おわりに
|
|
第2章 1960年代に至る監査報告基準の進展と条件付監査意見の記載実務
1.はじめに
1929年大恐慌と財務諸表監査の法制化
本章の問題意識
2.監査報告基準の進展
「統一会計」と「財務諸表の検証」
「会社会計の監査」
「独立会計士による財務諸表監査」とASR第7号
SAP第1号「監査手続の拡張」
ASR第21号と「監査基準試案」
SAP第23号とその後の動向
ASR第90号とSAP第32号
3.限定意見と条件付監査意見の記載実務
監査意見に限定を付す場合の挿入句の記載実務
未確定事項を対象とした条件付監査意見の監査報告実務
ゴーイング・コンサーン問題を対象とした限定意見
4.おわりに
|
|
第3章 条件付監査意見の廃止を巡る議論
1.はじめに
2.未確定事項に対する会計・監査基準の整備
会計基準における未確定事項の開示規定
未確定事項および条件付監査意見に対する監査基準の進展
3.条件付監査意見の削除を巡る基準設定機関の動き
4.条件付監査意見の廃止を巡る賛成意見と反対意見
条件付監査意見を削除することに賛成する議論
条件付監査意見を削除することに反対する議論
5.監査基準審議会の議論
論点1:監査報告あるいは監査機能における条件付監査意見の意義
論点2:条件付監査意見の警戒信号としての有用性と代替案の模索
論点3:条件付監査意見は誤用や乱用をもたらしているのか
論点4:条件付監査意見は法的防御となるか
論点5:条件付監査意見の削除とともに,未確定事項を理由とした意見差控も禁止されるべきか
論点6:条件付監査意見をゴーイング・コンサーン問題に限定して残すべきか
論点7:ゴーイング・コンサーン問題に対して“except for”付限定意見が認められるべきか
6.監査基準審議会の結論と現行の規定
SAS第58号
SAS第59号
SAS第58号とSAS第59号に対する批判
SOP94-6とSAS第79号
7.おわりに
|
|
第U部 未確定事項の多面的検討 |
|
第4章 未確定事項に対する監査判断プロセス
1.はじめに
2.監査報告における実施概念と未確定事項
実施概念の枠組み
事例による総合的な検討
3.ゴーイング・コンサーン問題の判断プロセスと実施概念の問題点
ゴーイング・コンサーン問題の判断プロセス
Carmichaelが示す実施概念の矛盾点
4.おわりに
|
|
第5章 個別の未確定事項とゴーイング・コンサーン問題の峻別
1.はじめに
2.監査手続における両者の相違
個別の未確定事項の監査手続
ゴーイング・コンサーン問題の監査手続
それぞれの未確定事項に対する監査手続から導かれる3つの相違点
3.重要性判断における両者の相違
個別の未確定事項における重要性判断の尺度
ゴーイング・コンサーン問題における重要性の判断尺度
Boothe Computer社の事例
4.意見差控の意味するところ
個別の未確定事項を理由とした意見差控
ゴーイング・コンサーン問題を理由とした意見差控
5.おわりに
|
|
第6章 リスク概念から捉えた偶発事象会計とゴーイング・コンサーン問題
1.はじめに
2.リスクの構造と測定要因
リスクの概念構造
リスクと不確実性との関係
3.ビジネス・リスクと偶発事象会計
4.ビジネス・リスクとゴーイング・コンサーン問題の監査
ビジネス・リスクの構造要因とゴーイング・コンサーン問題
ゴーイング・コンサーン問題における「重大な疑義」の意味
5.おわりに |
|
第V部 財務諸表の信頼性の保証の枠組みにおける条件付監査意見の意義 |
|
第7章 継続企業の公準の位置づけとゴーイング・コンサーン問題がもたらす情報リスク
1.はじめに
2.継続企業の公準の位置づけ
3.継続企業の反証が財務諸表の信頼性にもたらす影響
ゴーイング・コンサーン問題がもたらす情報リスク
Crawford Clothes社の事例分析
4.企業の経営危機の進展に応じた監査人の対応〜Chrysler社の事例〜
5.おわりに
|
|
第8章 未確定事項を対象とした条件付監査意見の意義
1.はじめに
2.条件付監査意見における「条件」の意味とDesirability仮説
Desirability仮説に基づく条件文の理論的解釈
3.個別の未確定事項と条件付監査意見
個別の未確定事項を対象とした条件付監査意見の意義
公正価値を巡る未確定事項の問題
4.ゴーイング・コンサーン問題と条件付監査意見
命題の妥当性と会計公準
信念に対する確信の程度と条件付監査意見
5.おわりに |
|
結章 本研究の総括,意義および課題
1.条件付監査意見の史的展開
2.監査基準審議会による条件付監査意見の議論の問題
3.本研究の意義
4.本研究の課題
|
|
補遺1 19世紀中頃から20世紀初頭に至るイギリスの監査報告の動向
19世紀後半における監査報告の動向
2本立ての監査報告
2本立ての監査報告が生み出された背景
|
|
補遺2 予測の確度・乖離からのアプローチにおける未確定事項
予測の確度・乖離から捉えたリスクの尺度
分類としてのリスクと不確実性
予測の確度・乖離からのアプローチにおける未確定事項
|