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書籍名 監査役の誕生
著者 高田 晴仁
定価 \3,850 (本体\3,500+税10%)
発行年月日 2022/11
サイズ 四六判・580頁
書籍Nom. ISBN 978-4-7658-0576-6


 

目次
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2023.10.5 日本内部監査協会「青木賞」受賞

監査役誕生の秘密
わが国の監査役はどのようにして誕生したのか?
生みの親ロェスレル、当時のわが国や海外の状況、明治の偉人たちはどうしたのか?
その歴史を探訪し、誕生の経緯を明らかにしていく。


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目次

プロローグ 明治20年のクリスマス・イブ


監査役の最初の名は「取締役」だった
ドイツの監査役会と取締役会
一層制と二層制

第1章 監査役の父・ロェスレルと翻訳工房のひとびと

第1節「ロェスレル博士」の来日

「ロェスレル博士」
鉄血宰相ビスマルク
ロェスレルの「事情」
ロェスレルの来日

第2節 不平等条約と法典

領事裁判
明治政府の「手品」

第3節 舶来品の「法典」

ロェスレルの商法草案
ナポレオンの商法典
日本の「商法編纂」─翻訳工房にて

第4節 翻訳工房のひとびと

翻訳工房の前史─周布公平のこと
「商法編纂局」のひとびと
ロェスレルの分身─本尾敬三郎/文明開化と「翻訳」


第2章 ロェスレル発案の「監査役会」
              
第1節イギリス由来の「取締役会」と「業務執行取締役」

「頭取」と「取締役」
「ディレクトーレン」
「取締役会」と「業務執行取締役」の原型

第2節 ロェスレル苦心の「監査役会」構想

「アウフジヒツラート」
ロェスレル型「監査役会」の責務
「監査役会」の権限抑制─ドイツ法の否定

第3節 監査役会と取締役会の抑チェック・アンド・バランス制と均衡

「適法性監査」「妥当性監査」の登場
112年前の「監査役会」構想
監査役会メンバーの情報収集権─独任制

第4節 理解と翻訳をめぐる苦難

「翻訳」のむずかしさ
会社法なき会社の時代
商法編纂局の智恵と工夫

第3章 日本の監査役は、ドイツのコピーではない
              
第1節 19世紀イギリス・フランスの監査役

英仏の会社法─幕末維新のころ
イギリスの監査役─会計検査
フランスの監査役─業務監査・邪魔者扱いの源

第2節 フランス・ドイツの株式合資会社

株式合資会社
株式合資会社の「監査役会」
フランスからドイツへの伝播

第3節 ドイツ「監査役会」の誕生

「遅れて来た国」ドイツ
翻訳による「監査役会(アウフジヒツラート)」の誕生

第4節 ドイツ株式会社の「監査役会」支配

ドイツの監査制度の独自性
「縮小された株主総会」
「監査役会」による会社支配

第5節 日本の監査役は、ドイツのコピーではない

日本とドイツの監査役は立場が違う
第一次株式法改正と「発起人時代」
イェーリングの痛罵と第二次株式法改正

第6節 欧州の「ロェスレル型」監査役会

ハンゼマンの「プロイセン・ライン鉄道」
権限分割による監査制度
ズデーテン地方の「日本型」

第4章 商社法の編纂─監査役の名は「検査役」

第1節 最初の衝突

東京のロェスレル博士
ロェスレルと商法編纂局の大喧嘩
商法編纂局の「取締役」「検査役」

第2節 伊藤博文の仲裁

伊藤博文の帰国
寺島委員会

第3節 寺島宗則の熟議─「商社法」の完成

会社条例編纂委員会─学者たちの「研究会」
寺島委員会とロェスレルの「熟議」

第4節「商社法」の検査役

知られざる「商社法」
検査役の設置強制
ロェスレルの海外出張─商法と外交─

第5節 商法全部の編纂へ

「会社の義解は如何なるや」
商法典全部の編纂へ
地球の商法典

第5章 井上外交の「エジプト方式」

第1節 寺島委員会の封印

商社法の挫折
井上外交
外務省の「法律取調委員会」

第2節「エジプト方式」

エジプトの近代
エジプトの混合裁判所
明治日本とエジプト方式

第3節 井上外交の蹉跌

ボワソナードの忠告
憲法起草とロェスレル
井上毅の工作
谷将軍
井上おろし

第6章 山田法典伯と「監査役」の誕生

第1節 山田法典伯

山田顕義の「法律取調委員会」へ
山田法典伯
伊藤博文の慨嘆

第2節 監査役の誕生日

「検査役」から「監査役」へ

第7章 明治人の世界的視野

第1節 ロェスレル類似のイタリアの「監査役会」

ロェスレル発案の「監査役会」
イタリアの「維新」
「会社の正義を護る者」─イタリアの監査役

第2節 ハンガリーとバルカン諸国

近代ハンガリーの権限分割型「監査役会」
19世紀末のバルカン諸国の監査役

第3節 南ヨーロッパと南米諸国

「南蛮人」との再会─ポルトガル、スペイン
ポルトガルの監査制度
南米諸国の監査役

第4節 オランダ東インド会社

紅毛人の「こんぱんや」
VOCの経営組織と監査役会
オランダの監査役会

第5節 ベルギーとスイス

ベルギーと明治日本
ベルギーの監査役制度─三権分立型
スイス時計業組合の来日
スイスの監査役

第6節 明治人の世界的視野

「萬國新史」と「萬國商法」

第8章 明治23年商法と監査役

第1節 大隈外交と法典論争

大隈外相
憲法発布

第2節 法典論争の勃発

法典論争ののろし
学派の争い
大隈の遭難

第3節 明治23年商法の完成

商法典公布の紆余曲折
明治天皇の幻の裁可
明治23年商法の監査役制度

第9章 明治憲法の作動と商法施行延期

第1節 議会開会前夜の攻防

鬼の来ぬ間に何とやら
商法は分からぬ、民法も分からぬ
商法施行延期論の跫音

第2節 商法施行延期

憲法政治の幕開け/商法延期戦の「関ヶ原」
商法位はどうなってもかまわぬ

第3節 視界不良

商法出でても忠孝は亡ばぬ
ロェスレルの痛嘆
法典伯山田の悲運

第10章 日本人による日本の商法

第1節 渋沢栄一の介入

梅謙次郎の登場
渋沢栄一の商法修正意見書─監査役制度の修正
岸本辰雄の駁論

第2節 伊藤の政治的魔法─明治26年の商法一部施行

会社法施行の萌し
伊藤博文の魔法
西園寺委員会による監査役制度の修正
会社法と監査役の実現

第3節 別 離

送別の宴
南チロルにて

第11章 監査役制度の施行─ロェスレル商法2.0

第1節 明治26年商法施行と監査役

明治26年の商法施行
三井、三菱と商法施行

第2節 明治32年のロェスレル商法2.0

明治32年の新商法へ
明治32年新商法の監査役─消えた監査役会
業務監視権限の削除
監査役の独立性の萌芽

エピローグ 監査役の運命
明治32年商法と監査役

連載あとがき─蛇足として

講演録 監査役の誕生から現在、そして未来

T はじめに
U 監査役の誕生

1.生みの親ロェスレル
2.監査役の語源─「監視」と「検査」
3.監査役の存在意義
4.ドイツがモデルではなかった
5.日本に最も似ているのはイタリア
6.監査役の廃止と復活

V 監査役の現在

1.専門性・独立性
2.「モニタリング・モデル」

W そして未来

1.「取締役的監査役」か「監査役的取締役」か
2.日本文化とガバナンス


単行本あとがき
略年表
人名索引・事項索引(巻末)



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