財務諸表監査の基礎理論 目次

序 文
はじめに  監査学と財務諸表監査の基礎理論
  1. 監査学という名の学問
2. 本書の対象範囲
3. 財務諸表監査の基礎理論へのアプローチ
−監査証拠論と監査報告論の統合
第1部 財務諸表監査理論への誘ない
第1部の視角
第一章  監査人の認識
  1. 監査人の認識を考える前に――ある監査現場での会話
2. 事実とは何か
3. 「認識すること」とは何か
第二章  監査人の認識対象
  1. 事象の限定−抽離要素という概念について
2.「行為」という人的抽離要素と言明
3.「取引」という経済的抽離要素と言明
第三章  言明の立証
  1.「言明を立証すること」とは何か
2. 経験的言明の立証
3. 価値的言明の立証
4. 監査における価値的言明の出現−アメリカの場合
第四章  監査の主題
  1. 監査の主題−二つの監査系列
2. 表現の監査の理論的枠組み−当事者による言明を前提とした監査
3. 行為の監査の理論的枠組み−当事者による言明がない場合の監査
第2部 財務諸表監査の理論的枠組み
第2部の視角
第一章  表現の監査
  1. 表現の監査−当事者による第一次認識が存在する場合
2. 会計表現の監査の類型
3. 経済的事象にかかる非会計的表現の監査
4. 人の行為にかかる表現の監査
5. 監査の発展形態としての表現の監査
・江村稔教授の財務諸表監査の理論について
第二章  監査人の言語行為
  1. 監査人が従事する伝達と監査報告書
2. 言語行為−「言うこと」と「すること」の関係
3. 「意見を述べる」という動詞における発語内行為の分析
4. 監査人の発語内行為の本質――保証
5. 発語媒介行為としての監査人の情報提供
・保証と保証業務について
第三章  監査証拠
  1.「証拠」概念の両義性
2. 個別命題の立証と証拠形成
3. 一般命題の立証と証拠形成
4. 監査証拠と監査意見の関係
・命題の論証(立証)形式について
・負の証拠と情報提供機能について
・限定意見の表明の仕方について−1
・限定意見の表明の仕方について−2
第四章  財務諸表監査における立証
  1. 監査人が従事する立証
2. 財務諸表監査の立証プロセスの構造−立証の方向と立証の重み
3. 基本命題と立証の範囲−全体証拠と部分証拠
4. 監査人に求められる総合証拠の水準
5. 立証の方法−実証主義と反証主義
6. 監査アプローチの大きな転換−実証主義から反証主義へ
第五章 監査意見の形成と表明
  1. 監査意見の形成−心証形成行為
2. 監査意見の表明−言語行為
3. 監査報告書の独り歩き現象
第3部 財務諸表監査の理論モデル−理念と現実
第3部の視角
第一章  財務諸表監査の理論モデルの設計
  1. 命題論証型の財務諸表監査の理論モデル
2. 財務諸表監査の理論モデル(1)純粋な会計表現の監査
3. 財務諸表監査の理論モデル(2)会計表現の監査と行為の監査との融合
4. 会計表現の監査と企業リスクの評価
第二章  包括的企業監査としての財務諸表監査の理論モデル
  1. 包括的企業監査としての財務諸表監査の意義
2. 包括的企業監査としての財務諸表監査の理論モデル
第三章  包括的企業監査の理論の課題新たな証拠形成と監査報告書体系
  1. 包括的企業監査における証拠形成のあり方
2. 包括的企業監査における監査報告のあり方


・付録
「財務諸表は会社の財政状態および経営成績を適正に表示している」の解釈についての実態調査

・参考文献
・索引
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